リードナーチャリング

ナーチャリングメールの書き方とは?開封率 UP につながる例文テンプレート付き

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はじめに

見込み客との関係を築きながら購買意欲を高めるナーチャリングにおいて、メールは最も手軽で効果の大きい手段の1つです。しかし、配信の内容やタイミングを誤ると、受信者に無視されるだけでなく関係を損なうリスクもあります。

読まれて成果につながるナーチャリングメールを作るには、どのようなポイントを押さえればよいのでしょうか。本記事では、シナリオ設計の手順からフェーズ別の例文テンプレート、開封率を高める件名の工夫、A/B テストによる改善方法、配信環境の整備まで解説します。

ナーチャリングメールの定義と役割

「ナーチャリングメールといっても、結局メールマガジンと何が違うのかわからない」――そう感じたことのある方は少なくないはずです。ただ、両者は配信ツールこそ同じでも設計思想がまったく異なります。

この章では、まず通常のメールマガジンとの違いを整理し、ナーチャリングメールの代表的な2つの型であるステップメールとシナリオメールの使い分けまでを押さえます。

通常メールマガジンとの違い

ナーチャリングメールと通常のメールマガジンの違いは、配信の仕組みではなく戦略の考え方にあります。

通常のメールマガジンは、あらかじめ決めたスケジュールに沿って全員に同じ内容を送る仕組みです。一方、ナーチャリングメールは受信者の行動やニーズの変化に応じて内容を変えていきます。

たとえば、資料をダウンロードした直後の人にはお礼と関連情報を、セミナーに参加した人には事例紹介を送るといった具合です。こうした出し分けを通じて、見込み客との関係を保ちながら購買意欲を段階的に引き上げていくのが、ナーチャリングメールの役割です。

つまり、「誰に送るか」と「何を送るか」をセットで考える点が、一斉配信のメールマガジンとの最大の違いといえます。この戦略的な配信設計が、ナーチャリングメールの効果を左右する土台になります。

ステップメールとシナリオメールの使い分け

ナーチャリングメールの代表的な配信手法には、ステップメールとシナリオメールの2種類があります。

ステップメールとは、資料ダウンロードや申し込みなど特定のアクションを起点に、あらかじめ決めたスケジュールどおりに複数のメールを自動配信する仕組みです。起点となる行動の後、「3日後」「5日後」のように日付ベースで順番に届くように設定します。

一方、シナリオメールはユーザーの行動そのものを起点に配信を組み立てます。日付を基準とするステップメールに対し、シナリオメールは「メールを開封した」「リンクをクリックした」といった行動の有無で、次に送る内容を分岐させます。たとえば、2通目を開封した人にだけ3通目を送る、といった出し分けがシナリオメールの典型です。

どちらを選ぶかは、対象者の行動データをどこまで取得できるか、運用の複雑さをどこまで許容できるかで決まります。行動データが十分に取れる環境ならシナリオメール、まず自動化を始めたい段階ならステップメールから着手するのが現実的です。

シナリオ設計の手順

「とりあえずメールを何通か送ってはみたものの、どんな順番で何の情報を届ければいいのか確信が持てない」――ナーチャリングを始めた多くの担当者がぶつかる壁です。行き当たりばったりの配信は、せっかく興味を持ってくれた見込み客を手放しかねません。

この章では、シナリオ設計の土台となるカスタマージャーニーとペルソナの作り方から、検討フェーズごとに配信を組み立てる手順までを順を追って解説します。

カスタマージャーニーとペルソナの策定

シナリオ設計の出発点は、見込み客がどのような心理と行動をたどって購買に至るかを描き出すカスタマージャーニーを考えることです。購買までの各段階で気持ちがどう動くかを整理すると、「どのタイミングで、どんな情報を求めているか」が見えてきます。

あわせて押さえたいのがペルソナです。ペルソナとは、ターゲットとなる顧客像を具体的な人物像に落とし込んだものです。ペルソナを設定しておくと、顧客の立場からメールの中身を組み立てやすくなります。

たとえば認知段階では製品の特徴を丁寧に伝え、検討が進んだ段階では導入後に得られる成果を訴求する、というフェーズごとの出し分けが可能になります。

カスタマージャーニーとペルソナを先に固めておくことで、メール1通ごとの目的がはっきりし、配信設計全体の筋が一本通ります。

検討フェーズ別の配信設計

配信設計の骨組みは、「いつ」「誰に」「何を」「どのように」送るかという4つの要素です。先に描いたカスタマージャーニーをもとに、フェーズごとにこの4要素を具体化していきます。

特定の行動を起こした見込み客に対し、あらかじめ用意したメールを段階的に届けていくのがシナリオ設計の基本であり、この4要素があいまいなままでは設計が成立しません。

設計の指針となるのは、フェーズが進むほど提案の具体度を上げていく、という考え方です。情報収集の段階ではお役立ち情報、比較検討の段階では導入事例やセミナー案内、意思決定の段階では個別相談の打診、というように、相手の検討度に合わせて少しずつ踏み込んでいきます。

このように、自社の製品にいきなり誘導するのではなく、価値ある情報の提供を起点に関係を築き、一段階先の購買プロセスへ進んでもらうことがナーチャリングの目的です。

フェーズに合わせた設計

「同じ内容のメールを全員に送っても、刺さる人と刺さらない人がいる」――その差は、受け手の検討段階に文面が合っているかどうかで生まれます。情報収集中の相手にいきなり商談を持ちかければ、警戒されて当然です。

この章では、認知・情報収集フェーズと比較検討・意思決定フェーズの2つに分け、それぞれのフェーズの相手に何をどう伝えるかを具体例とともに見ていきます。

認知・情報収集フェーズ

認知・情報収集フェーズの見込み客は、まだ自分の課題を明確に把握しきれていない段階にあります。そのため、売り込みは避けて相手にとって役立つ情報を届けることを優先します。

たとえば、3通構成なら次のような組み立てが考えられます。1通目はダウンロード直後にお礼と資料の再送、あわせて関連記事を案内して情報収集を後押しします。2通目は数日後、同じテーマの事例を取り上げ、解決までの道筋を具体的にイメージしてもらいます。3通目はさらに数日後、より実践的な内容のセミナーへ誘導して次の行動につなげます。

以下に、この3通構成をそのまま使える件名と本文のテンプレートを記していきます。角括弧([])内は適切な内容に差し替えてください。

1通目:ダウンロード直後(お礼と資料の再送)

件名:【資料ダウンロードのお礼】[資料タイトル]をお送りします

[お名前]様

このたびは「[資料タイトル]」をダウンロードいただき、ありがとうございます。本メールにてあらためて資料をお送りしますので、お手元でご覧ください。

あわせて、関連する以下の記事も[検討テーマ]を整理する際の参考になります。

・[関連記事タイトル]:[リンク]

ご不明な点がございましたら、お気軽にご返信ください。

2通目:数日後(導入事例の紹介)

件名:[業種・部門]で[課題]を解決した事例をご紹介します

[お名前]様

先日は資料をご覧いただきありがとうございました。
今回は「[検討テーマ]」に関連して、実際に課題を解決された企業の事例をご紹介します。

・導入前の課題:[課題]
・取り組み:[施策の概要]
・成果:[定量的な成果]

貴社で同様のテーマに取り組まれる際の参考になれば幸いです。

3通目:数日後(セミナーへの誘導)

件名:【参加無料】[検討テーマ]の実践ポイントを解説するオンラインセミナーのご案内

[お名前]様

これまでお送りした資料や事例について、より実践的に学べるオンラインセミナーを開催します。

・日時:[開催日時]
・形式:オンライン(参加無料)
・内容:[セミナー内容の要点]
・セミナー情報:[セミナー情報ページのリンク]

お席に限りがございますので、ご関心をお持ちいただけるようでしたらお早めにお申し込みください。

組み立て方はこれに限りません。1通目で資料に関連する追加のお役立ち情報を届け、2通目で自社の製品・サービスを認知してもらい、3通目でセミナーや製品資料へ誘導する流れも有効です。

いずれの場合も、各メールの役割を「情報提供」から「行動の後押し」へと段階的に進める点は共通しています。

比較検討・意思決定フェーズ

比較検討・意思決定フェーズに入った見込み客は、すでに課題が明確で、解決手段を見比べている段階です。ここでは一般的な情報提供から一歩踏み込み、相手の状況に合わせた提案型の文面に切り替えます。

たとえば4通目を送るタイミングでは、個別相談や詳しいサービス資料を案内し、課題が固まった見込み客の商談化を狙います。セミナー参加後のフォローメールであれば、「セミナーでお伝えした内容について、貴社の状況に合わせた具体的なご提案が可能です。30分のオンライン相談はいかがでしょうか」のように、個別アポイントの打診を主役に据えるのが効果的です。

このフェーズでは、次のような提案型のテンプレートが使えます。

件名:[お名前]様の「[課題]」に合わせたご提案のご相談

[お名前]様

先日は[セミナー名・資料名]をご利用いただきありがとうございました。
貴社の「[課題]」について、状況を詳しくお聞かせいただけないでしょうか。
[お名前]様の課題に合わせて、具体的なご提案が可能です。

30分程度お時間をいただければ、オンライン相談で、以下の点についてご紹介します。
・[製品・サービス名]を導入する際の進め方
・想定される効果と費用感の目安
・[近しい業種・企業規模]の企業における導入事例

ご興味をお持ちいただけるようでしたら、下記より、ご都合のよい日時をお選びください。

・日程調整:[日程調整ページのリンク]

行動を起点に分岐させる発想も有効です。お礼メールに続けて自社製品を紹介し、それを開封した人にだけ無料トライアルを促す、といった出し分けをすれば、購買意欲の高い層へ的確にアプローチできます。

開封率を高める件名と配信設定

「丁寧に作り込んだメールなのに、開封率が伸びない」――その原因は本文ではなく、件名や送信者名にあることが少なくありません。読まれるかどうかは、受信トレイに並んだ一瞬で判断されることもあります。

この章では、開封率の改善につながる件名の5つの型と、送信者名・配信時間帯といった設定面の工夫を取り上げます。

件名の書き方5パターン

どれほど中身が優れたナーチャリングメールでも、件名で興味を引けなければ開封されません。件名を工夫する際に意識したい代表的なパターンは次の5つです。

  • 課題提示型:読み手が抱えている悩みをそのまま件名に含め、自分ごとだと感じさせる
  • 数字訴求型:具体的な数値を盛り込み、内容の信頼感を高める
  • ノウハウ型:「手順」「方法」など実用的な情報であることを示す
  • 限定・希少型:期間や対象者を絞った表現で優先度を上げる
  • 事例紹介型:導入事例や成果を件名で示し、検討中の読み手の関心を引く

 

一方で、件名に絵文字や特殊文字を使って認証済みであるかのような印象を与えることは避けるべきです。Gmail の送信者ガイドラインでも、誤解を招く表示名や件名、グラフィック要素を模倣するような絵文字や非標準文字の使用を控えるよう求めています(参照*1)。

件名は簡潔で誠実な表現を心がけることが、長期的な開封率の維持につながります。

送信者名・配信時間帯の最適化

件名と並んで開封率に影響するのが送信者名です。法人名だけの送信者名よりも、担当者の個人名を添えたほうが開封率が10〜20%向上するというデータがあります(参照*2)。

配信時間帯については、自社のターゲット層が受信トレイを確認しやすい時間帯を見極めることが欠かせません。A/B テストを活用し、曜日と時間の組み合わせを検証することで、自社に合った最適な配信タイミングを特定できます。

なお、件名やフェーズ別シナリオを丁寧に設計すると、成果は数字にも表れます。BtoB マーケティングツールを提供する ferret One が、自社のセミナー申込者向けに約4週間(66通分)実施したステップメール施策では、開封率50.98%、クリック率13.75%、コンバージョン率3.52%を記録しました。同社がホワイトペーパー訴求のメールマガジンで目安とする開封率約20%・クリック率9〜11%・コンバージョン率2.5〜3.5%を、いずれも上回る結果でした(参照*3)。

A/B テストによる改善サイクル

ナーチャリングメールの成果を継続的に高めるうえで、A/B テストは必須の改善手法です。A/B テストとは、件名や本文などの要素を複数パターン用意して配信し、どちらがより高い成果を出すかを比較する手法を指します。

メールでの A/B テストの主な対象は、件名、送信者名、本文の構成、行動喚起ボタンの文言や配置などです。テストごとに変更する要素は1つに絞り、開封率・クリック率・コンバージョン率のうちどの指標で勝敗を判定するかを事前に決めておきます。

要素を1つずつ検証し、勝ちパターンを積み重ねていくことが、データにもとづく着実な改善につながります。

配信環境の整備と注意点

「シナリオも件名も練り上げたのに、なぜか反応がない」――その原因はメールがそもそも受信トレイに届いていないことだった、というケースは珍しくありません。土台となる配信環境を整えなければ、施策はスタート地点にすら立てません。

この章では、メール到達率を支える送信ドメイン認証(SPF・DKIM・DMARC)の設定と、配信後に欠かせない迷惑メール率の管理について解説します。

SPF・DKIM・DMARC の認証設定

どれほど内容やシナリオを練っても、メールが受信トレイに届かなければナーチャリングは始まりません。

メール到達率を左右する基本要素が、SPF・DKIM・DMARC という3つの送信ドメイン認証です。Gmail の送信者ガイドラインでは、送信ドメインへの SPF または DKIM の設定、有効な正引きと逆引きの DNS レコード、メール送信時の TLS 接続を求めています(参照*1)。

DMARC は、SPF または DKIM の認証に通らなかったメールをどう扱うかを、受信側のメールサーバーに指示する仕組みです。送信者側のドメインの DNS に設定し、SPF と DKIM のいずれか、または両方のチェックに通らなかったメールは、この DMARC 設定に従って処理されます。

3つの認証をそろえておくと、なりすましメールとの区別が明確になり、受信トレイへの到達率を保ちやすくなります。配信を始める前に、自社ドメインの認証状況を確認しておきましょう。

迷惑メール率と Postmaster Tools

送信ドメインの認証を整えた後も、迷惑メール率の管理は続けて必要です。Gmail の送信者ガイドラインでは、Postmaster Tools で報告される迷惑メール率を0.10%未満に保つよう求めており、高い状態が続くとメールが迷惑メールに分類されやすくなります(参照*1)。

なお、Gmail アカウント宛に24時間あたり5,000通以上を送る送信者は「一括送信者」に分類され、同じプライマリドメインからのメールがすべて同一送信者としてカウントされます。大量配信を行う場合は、一括送信者向けの要件も満たしているか確認が必要です。

Postmaster Tools を定期的にチェックし、迷惑メール率やドメインの評価を把握しておくことで、配信トラブルの早期発見と対処につながります。

おわりに

ナーチャリングメールの成果は、シナリオ設計、件名の工夫、A/B テストによる改善、配信環境の整備という4つの要素が連動して初めて高まります。どれか1つだけを磨いても、他の要素が不十分であれば、見込み客に情報が届かない、届いても読まれないという状態が続きます。

まずは自社のカスタマージャーニーを整理し、フェーズごとのメールシナリオを組み立てるところから始めるとよいでしょう。本記事で紹介した型や改善手法を組み合わせ、自社の配信環境と運用体制に合った仕組みを育てていくことが、購買意欲の高い見込み客を商談へとつなげる第一歩です。

ナーチャリングの全体像や手段ごとの使い分けを体系的に押さえたい方は、ナーチャリングの基礎知識をまとめた記事もあわせてご覧ください。

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