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展示会における1小間ブースとは?デザインの基本要素と演出のアイデア

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展示会は、BtoBマーケティングにおける新規リード獲得や商談化の重要な機会です。とはいえ、1小間ブースだと「どうしても目立ちにくい」「動線や配置が決めきれない」「限られた予算で本当に成果が出るのか不安…」と悩む担当者も少なくありません。

そこで本記事では、1小間ブースならではの特徴を踏まえつつ、成果につながるデザインの基本要素、失敗を防ぐための事前の工夫、来場者の足を止める演出アイデア、さらに費用を最適化する調整ポイントまで、実践目線でわかりやすく解説します。

展示会における1小間ブースとは

展示会における「1小間ブース」とは、出展スペースの最小単位を指します。サイズは一般的に幅3m×奥行き3m(約9㎡)が基本ですが、展示会によって異なります。

1小間は比較的コストを抑えやすいため、初めての出展や予算に制約があるBtoB企業にとって選びやすい選択肢です。
一方で、スペースが限られる分、動線設計や展示物の配置に戦略的な工夫が欠かせません。

たとえば、高さのある造作や壁面のビジュアルを活用すれば、遠目からの視認性を確保しやすくなります。
限られた面積でも「見せ方」と「導線」を最適化できれば、1小間でも十分に訴求力のあるPRの場に変えていくことが可能です。

1小間ブースで押さえるべきデザインの基本要素

1小間ブースを成果の出る場にするには、視覚的なインパクトと、限られたスペースを前提とした戦略設計が欠かせません。
ここでは、1小間ブースの設計で押さえるべき3つの基本要素を解説します。

視認性とブランド訴求の最適化

来場者に一目で企業や商品の特徴を認識してもらうには、社名・ロゴを遠くからでも見える高さに配置することが重要です。
ブランドカラーをブース全体に一貫して取り入れ、展示パネルや什器に統一感を持たせることで、競合ブースとの差別化につながります。

さらに、キャッチコピーは視線が集まりやすい位置にシンプルに掲示し、商品写真や利用シーンを大きくビジュアル化することで、来場者に直感的な理解を促せます。

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動線設計と立ち寄りやすさの演出

1小間ブースでは、来場者の動きを妨げない導線設計が集客の土台になります。
入口の開口部を広く取り、壁や仕切りは必要最小限に抑えて、まず“入りやすさ”を確保しましょう。

また、中央に商談スペースを固定してしまうより、展示物の周囲を自然に回遊できる流れをつくることで、滞在時間が延びやすくなります。「足を止めやすい」「会話が始まりやすい」環境を意図的に設計することで、会話発生率やヒアリング量にも差が出ます。

さらにスタッフの立ち位置や声かけの導線まで含めて配置を計画すると、ブース全体がより機能的にまとまります。

限られた面積を活かすレイアウト設計

面積が限られる1小間ブースでは、“高さ”と“壁面”の活用がカギです。
背面パネルに大型ビジュアルを入れたり、多段什器で上下を使った展示にすることで、情報量と訴求力を補えます。
収納付き什器を活用すれば、備品を隠してスペースをすっきり保てるため、見栄えと動線の両立がしやすくなります。

展示物をテーマごとにゾーニングし、視線が自然に主力商品へ流れるレイアウトに整えることで、来場者が情報を理解しやすくなります。見やすさと回遊性を両立した設計こそが、1小間ブースの成果を支える土台になります。

1小間ブースで失敗しないためのポイント

限られたスペースの1小間ブースは、設計や運用を少し誤るだけで「目立たない」「情報が伝わらない」「会話が生まれない」状態に陥りやすいのが特徴です。そうした落とし穴を避けるために、ここでは失敗を防ぐ3つのポイントを解説します。

展示物の選定と情報の絞り込み

展示面積が限られる1小間では、展示物とメッセージを主力商品・新製品など“伝えたい核”に絞ることが鉄則です。

情報を厳選すれば、「この会社は何が強みか」が来場者に伝わりやすくなります。
一方、あれもこれもと詰め込みすぎると、視線が散って印象が薄れ、来場者に結局“何のブースだったか”のかの記憶が残りません。

ポイントは、展示物をストーリーとして並べることです
キャッチコピー → ビジュアル → 体験/デモ、の順で自然に理解できる流れにすると、短時間でも印象を残すことができます。

スタッフの配置と動き

スタッフの立ち位置は、入口や通路沿いなど「視線が合いやすい場所」に置くのが基本です。
来場者と自然に目線が合うことで、声かけの心理的ハードルが下がり、立ち寄り率が上がります。

また、当日の現場では意外と“人の動き”が詰まりやすいので、役割分担を事前に決めておくことが重要です。

  • 声かけ・初期ヒアリング担当

  • デモ/説明担当

  • 情報入力・フォロー区分担当

というように担当を切り分けておくと、ブース内の流れが滞らず、会話の質も安定します。

スペース内は“動ける余白”を意識して導線を確保し、立ち止まりやすい場所で自然に会話が始まる設計にしておきましょう。
呼び込み用の一言コピーや、会話のきっかけとなる質問を用意しておくと、現場対応がさらにスムーズになります。

カラーと照明の工夫

1小間では面積で勝負できない分、色と光の設計が“遠くからの見つけやすさ”を左右します。

ブランドカラーを基調に、要所のみにアクセント色を使うことで、統一感と視覚的インパクトを両立することができます。
色数を増やしすぎると雑多な印象になりやすいため、“少ない色で強く見せる”のがコツです。

照明はスポットライトや間接照明を組み合わせ、展示物やメッセージの見せたいポイントに光を当てて視線誘導します。
LED照明は省電力で長時間点灯でき、熱もこもりにくいため展示会向きです。

カラー×照明の設計で視認性を引き上げることで、来場者の足を止める効果をサポートします。

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来場者を惹きつける1小間ブースの演出アイデア

1小間ブースはスペースが小さい分、装飾量や展示物の数で勝負するのが難しい領域です。
だからこそ、「演出で印象をつくる」ことが集客力の差として表れやすいのが特徴です。

ここでは、限られた面積でも来場者の興味を引き、記憶に残すための具体的な工夫について紹介します。

小規模でも効果的な映像・サイネージ活用法

映像やデジタルサイネージは、1小間でも“視線を奪う力”のある訴求ツールです。
動きや音があるだけでブースの存在感が増し、短時間で多くの情報や価値を伝えられるため、立ち寄りのきっかけづくりに向いています。

たとえば、30〜60秒程度の短尺動画で

  • 課題

  • 解決策

  • 得られる効果

  • 事例の一部

をテンポよく見せるだけでも、来場者の理解度は大きく上がります。
長い説明を聞く余裕がない来場者にとって、“見ただけでわかる入口”をつくれるのが映像の強みです。

配置は、通路側から最初に視界に入る位置か、入口正面の目線高さが基本。
またデジタルサイネージは投影する映像の差し替えが容易なため、会期中に「主力訴求→新製品訴求」と切り替えるなど、柔軟に運用できるのもメリットです。

配布資料・ノベルティで印象に残す仕掛け

パンフレットはA5や三つ折りなど持ち帰りやすいサイズにし、画像と要点を簡潔にまとめます。ノベルティは実用性の高い小物やエコ関連グッズがおすすめです。

ブランドロゴやキャッチフレーズを入れることで使用時にも企業を想起させられます。配布時にスタッフが一言添えることで、その後のコミュニケーションのきっかけにもなります。

1小間ブースはスペースが限られることから、滞留時間も短くなり、対話時間が短くなりやすいため、“持ち帰ったあとに思い出してもらう仕掛け”も重要になります。その役割を担うのが、配布資料とノベルティです。

パンフレットは、A5や三つ折りなど“来場者が持ち帰りやすいサイズ感”が理想です。
内容はテキストを詰め込むより、

  • 誰向けの何が強みか

  • どんな課題をどう解決するか

  • 事例 or 数字での裏付け

といった要点だけに絞り、視覚的に目に留まりやすく、読みやすい情報量にまとめるとよいでしょう。

ノベルティは実用性の高い小物や、環境配慮型グッズなど“使う理由があるもの”が効果的です。
そこにブランドロゴやキャッチフレーズを添えておくと、使用時に企業が想起され、展示会後の接点づくりにもつながります。

さらに、配布の瞬間にスタッフが「〇〇の事例が載っているので、ぜひ見てみてください」などと、資料に関する情報を一言添えるだけで、“ただの配布物”から“会話の続き”に変わります。

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1小間ブースのデザイン費用とコスト調整の考え方

予算内で最大の効果を出すには、相場感を押さえたうえで「投資すべきところ/抑えていいところ」を切り分ける視点が欠かせません。ここでは、1小間ブースの費用目安と、コスト調整するための考え方を整理します。

費用相場の目安と内訳

1小間(3m×3m)のブース施工費は、内容にもよりますが60万〜100万円前後がひとつの目安です。
シンプルな造作であれば50万円台で収まるケースもありますが、パネル造作や装飾を増やすと上振れしやすい、と捉えておくと安心です。

なお、このブース施工費には、デザイン費、映像・モニターなどの機材費、電気工事、運搬費が含まれないため、見積もりの段階で「どこまでが基本費用か/何がオプションか」を必ず分けて確認しましょう。

レンタル品と自社保有品をうまく組み合わせれば、購入・運搬・廃棄コストまで含めたトータル費用を抑えることも可能です。まずは内訳と優先順位を整理して、ムダのない設計を目指しましょう。

コストを抑えて効果を出す工夫

費用を絞るときは、やみくもに削るよりも、「投資すべき部分」と「節約できる部分」を明確に分ける発想が大事です。

たとえば、既製什器やレンタル什器で造作コストを抑え、その分をアイキャッチになる壁面ビジュアルや映像演出など“集客に直結する部分”へ寄せると、限られた面積でも印象的な空間を作ることができます。

また、パネル構成や配色、コピーの見せ方を整えるだけでも印象は大きく変わります。

さらに、複数回使い回せる什器や装飾を初期設計に組み込めば、長期的なコストダウンも実現できます。
ただし、特殊なサイズの什器は運搬や保管で想定外にお金がかかることもあるので、「使う回数」「保管場所」「運搬コスト」まで含めて考慮するとよいでしょう。

まとめ

この記事では、展示会における1小間ブースについて以下の内容で解説しました。

  • 1小間ブースで抑えるべきデザインの基本要素
  • 1小間ブースで失敗しないためのポイント

展示会における1小間ブースは限られたスペースではあるものの、設計と演出の工夫次第で十分に高い集客効果を発揮できます。ポイントは、ブランド訴求を前提にした視認性の高いデザイン、来場者がふらっと入りやすい動線づくり、そして高さや壁面を活かした情報配置です。

展示物や伝える情報は主力に絞り込み、照明やカラーで視覚的なインパクトを強めましょう。さらに、映像やノベルティを取り入れることで滞在時間や印象の残り方が変わり、ブランドや製品の記憶定着につなげることができります。

費用は、内容によって幅はあるものの、50万円台〜100万円前後が目安です。デザイン費や機材費などが別建てになるケースも多いため、見積もりでは「基本に含まれる範囲」と「オプション」を切り分けて確認しておくと安心です。レンタル什器や再利用できる装飾をうまく組み合わせ、投資すべき部分と節約できる部分を明確にすれば、限られた予算でも最大限の効果を狙えます。

猿人』では、出展・協賛すべき、展示会・イベントの選定から企画、空間デザイン、映像・グラフィック制作までワンストップで提供しています。

  • 「どの展示会に出展をすべきか、決められない」
  • 「限られたブース面積で競合他社とどう差別化すればよいかわからない」
  • 「来場者をブースに集客できない」
  • 「予算内で効果的な演出や装飾をしたい」

といったお悩みをお持ちでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。

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