展示会

展示会とイベントの違いとは?成功につなげる準備とリード獲得後の活用方法について解説

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BtoBマーケティングにおいて、展示会や協賛企画といったイベント施策は、見込み顧客と直接接点をつくれる重要なマーケティング活動のひとつです。
とはいえ、「展示会に出展したのに期待した成果につながらなかった」「成果につながるイベントの選定方法がいまいち掴めない」といった声も少なくありません。

そこで本記事では、展示会とイベント施策の違いを整理したうえで、成果につなげるための事前準備、そしてリード獲得後に商談・受注へつなげる活用プロセスまでを、具体例を交えながら解説します。

展示会とイベントの違いとは

多くの企業がマーケティング施策として展示会へ出展していますが、展示会の位置づけや役割を正しく理解することは、成果を出すための第一歩です。
展示会はイベントマーケティングの一種であり、数あるイベント施策の中でも「見込み顧客と対面で出会い、短期間で商談の種をつくれる場」として独自の価値を持っています。ここでは、展示会とイベント施策の関係性を整理します

イベントにおける展示会の役割

イベントマーケティングには、セミナー、ウェビナー、協賛企画、ユーザー会などさまざまな手法があります。
その中で展示会は、高い関心を持つ来場者が一度に集まり、対面での会話を通じてリード獲得や市場理解を一気に進められる点が特徴です。

また、名刺獲得数や商談化率、来場者の属性などをその場で把握しやすく、施策効果を可視化しながら改善につなげられるのも、展示会ならではの強みだと言えます。

展示会がマーケティング施策として重要な理由

展示会は、購買意欲や課題意識が高い層と直接対話できる貴重な場です。
デジタルマーケティングが主流になった今でも、対面でのコミュニケーションは信頼形成のスピードを大きく高め、意思決定が複雑なBtoBにおいて強い効果を発揮します。

たとえば製造業向けの展示会では、実機や技術を体験してもらうことで、Webやカタログだけでは伝わらない価値を実感してもらえます。
こうした「体験」「対話」「その場の反応」を通じて、リード獲得・ブランディング・顧客の生のフィードバック収集を同時に進められることが、BtoB企業が展示会を重視する大きな理由です。

展示会を成功させるための準備と設計

展示会への出展は決して小さな投資ではありません。限られた予算と時間の中で最大の成果を上げるためには、戦略的な準備と設計が欠かせます。
ここでは、展示会を成功に導くための具体的なステップを整理します。

目的設計とKPI設定

展示会出展を検討する際、「とりあえず、出展してみよう」という曖昧な目的で臨んでしまい、期待した成果を得られなかったというケースはまだ耳にすることがあります。

展示会出展の成果を高めるためには、まず出展目的が「新規リード獲得」なのか「認知度向上」なのかを明確にし、それに紐づくKPIを具体化する必要があります

たとえば「質の高いリードを100件獲得」「製品デモ体験者50名」「商談アポイント20件獲得」といった定量的な目標を設定をすることで、ブース設計から当日の運営まで一貫した戦略を構築できます。目的に即した指標を設けることで、事前準備から事後分析まで一貫性のある活動が可能となり、投資対効果の最大化につながります。

出展すべき展示会の選定

毎年、数多くの展示会が開催されており、どの展示会に出展すべきか迷われる企業も多いのではないでしょうか。
展示会選定の精度を上げるためには、過去の来場者データや、自社での出展実績がある場合は過去の結果を踏まえ、判断することが重要です。

主催企業が公開している過去の来場者の業種・役職・関心テーマ・来場目的などのデータを確認し、自社ターゲットと重なる展示会を選定しましょう。
ここでは“来場者数の多さ”より“ターゲット濃度の高さ”を軸に選ぶことがポイントです。

【関連記事】BtoBマーケティングにおける展示会を成功させるコツ!準備段階の戦略から実施ポイントまで解説

ターゲットに刺さるブース設計と訴求内容の工夫

展示会場では多数のブースが競合するため、限られた時間で来場者の足を止め、自社ブースに興味を向けてもらうための設計が必要です。そのためには、ターゲットの課題に直結したメッセージと、迷わず立ち寄れる導線づくりが欠かせません。

たとえば、

  • 遠目でも伝わる“ひとことコピー”

  • 最初の10秒で価値が伝わるデモ設計

  • ヒアリングにつながる自然な動線

などを意識していくことで“温度感の高いリード”の増加を図ることができます。
展示会ブースは「製品を並べる場所」ではなく、「ターゲットの課題を解決できると直感させる場」であることを意識した設計をしましょう。

【関連記事】BtoB企業向け展示会出展戦略!実践的なテクニックからフォローアップまで徹底解説

来場促進

展示会の会期前には自社のSNSやメールマガジンを活用し、ターゲット層への接触回数を増やしておくことで、来場効果を高められます。既存顧客や見込み客に対しては、出展情報を積極的に発信することで、来場者の“質”と“量”の両方を向上させることができます。

主催者の集客施策だけでなく、自社でもマルチチャネルで情報発信を行い、ターゲットの来場を促しましょう。

展示会後のリード活用方法

展示会当日の成功は重要ですが、真の成果は展示会後のフォローアップ活動で決まります。
ここでは、獲得したリードを確実に商談・受注へつなげるための活用方法を解説します。

名刺情報の即時デジタル化と分類

展示会で大量に獲得した名刺が、整理されないまま机の引き出しに眠ってしまう――。
この状態は、多くの企業が直面する典型的な課題です。

展示会で獲得した名刺は、できるだけ早くデジタル化し、温度感や属性で分類することが重要です。
たとえば、

  • 温度感:すぐ商談に進めたい/情報収集中/将来検討

  • 役割 :決裁者/現場担当/情報収集者

といった軸で整理しておけば、営業とマーケで優先順位の共通認識が持てます。
デジタル化と分類を“即日〜翌営業日”レベルで分類することで、フォローのスピードと精度が一気に上がります。

【関連記事】リード獲得における展示会の役割とは?出展先の選定や実践の工夫

ナーチャリングの設計

分類したリードは、検討フェーズに合わせた段階的フォローを設計し、関係性を育てていく必要があります。
展示会で接触したリードの多くは「その場で興味は持ったが、社内検討はこれから」というケースが多く、すぐ商談になるとは限りません。だからこそ、継続的な情報提供で温度感を引き上げる仕組みが効きます。

ポイントは、一律配信ではなく、関心や課題に合わせて出し分けること。
たとえば、課題別・業種別に、

  • 課題解決のヒントになる記事

  • 具体的な導入事例

  • 比較検討に使える資料やチェックリスト

  • ROIや費用対効果を示すコンテンツ

を順番に届けていくと、リードの検討が進むタイミングで自然に商談へ移行させやすくなります。
展示会接点を「単発の出会い」で終わらせず、「案件化の起点」に変えるのがナーチャリングの役割です。

投資対効果の分析と次回に向けた改善案の策定

展示会は“出て終わり”ではなく、出展投資を改善し続けることでROIが伸びる施策です。
そのためには、費用と成果をKPIベースで振り返り、次回の改善点を明確にしておくことが欠かせません。

まず優先して見るべきは、

  • リード獲得数と質(A/B/Cの比率など)

  • 商談創出数と商談化率

  • 成約率と顧客獲得単価

この3つです。ここが押さえられていれば、展示会の“勝ち筋”が見えてきます。
加えて、来場者のフィードバックや競合動向、出展費用・人件費なども合わせて整理すると、改善点の精度が上がります。

数値と現場の気づきをセットで振り返ることで、
「次はどの展示会に出るべきか」
「ブースやトークは何を変えるべきか」
が具体的に言語化でき、再現性のある展示会運営につながります。

展示会以外のイベント活用事例

展示会だけでなく、目的に応じてイベント形式を組み合わせることで、リード獲得から育成までの流れをより強く設計できます。
ここでは、展示会以外のイベント活用と、展示会と組み合わせた施策例を紹介します。

セミナー・ウェビナー・カンファレンス

コロナ禍を経てオンラインイベントが一般化したことで、企業は「どの場で、どんな価値を届けるか」を選びやすくなりました。
セミナー、ウェビナー、カンファレンスは、特定テーマに関心を持つ層へ深い情報提供ができるイベント形式です。

展示会が“偶然の出会いを広く作る場”だとすると、これらのイベントは“関心が顕在化した層を教育・育成する場”。
専門性の高いコンテンツを通じて課題理解や解決イメージを育てられるため、信頼関係づくりに向いています。

特にセミナー形式は、参加者の学習意欲が高いぶん、「話を聞いて終わり」ではなく“次の相談や比較検討へ進みやすいリード”が集まりやすいのも特徴です。

展示会と他イベントを組み合わせた施策

展示会とオンラインイベントを組み合わせることで、接点の量と質を同時に高めるマルチチャネル施策が実現できます。
単一のイベント形式では接触できる顧客層に限りがあり、また一度の接触だけでは十分な関係構築が困難です。
そのような場合は、複数のタッチポイントを設けることで、顧客の検討プロセス全体をサポートできます

効果的な組み合わせ施策の例の流れ

  1. 事前にウェビナーで業界課題を提起し展示会への来場を促進する
  2. 当日は展示会でデモ体験と個別相談を実施する
  3. 事後はフォローアップセミナーで詳細情報を提供し商談へ誘導する

このように複数のタッチポイントを設けることで、リードの獲得から育成までを効率化でき、成約率の向上につながります。

まとめ

この記事では、展示会とイベントの違いについて以下の内容で解説しました。

  • 展示会とイベントマーケティングの違い
  • 展示会を成功させるための準備と設計

展示会は、対面を通じて高関心な層へアプローチし、信頼構築や製品体験を通じた優位性の理解に強みを持つ、重要なイベントマーケティングです。

ただ展示会に出展するのではなく、出展目的とKPIを明確化し、適切な展示会の選定、ターゲットに響くブース設計、事前の集客施策を講じることが成果につながります。

また、展示会終了は名刺のデジタル化・分類からナーチャリング設計まで、一貫したフォロー活動を行い、投資対効果を分析・改善することが次回以降の成功を導きます。さらに、展示会に加えてウェビナーやセミナーなど複数形式を連携させると、接点の量と育成の質を同時に高めることが可能です。

猿人』では、展示会・セミナー・ウェビナーなどのイベント企画・運営から、Web設計や広告運用、ブランディング支援まで一気通貫で提供しています。

  • 「展示会に出展しても成果につながらない」
  • 「ターゲットに刺さるブース設計が分からない」
  • 「獲得リードをうまく営業に活かせない」

といったお悩みをお持ちでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。

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