日本エントリーのプロフェッショナル原沢に訊く、日本市場参入成功のセオリーVol. 3 - 成功するチームの作りかた
- 2025年 11月 11日 -

成功するチームはどのようにして作るのか?チームの人材戦略はどのようなものか?
このインタビューでは3回に分けて、日本エントリーのフィクサー、原沢滋に他では聞くことのできない日本市場の貴重な話を聞いいてきた。最終回となる今回のテーマは、「成功するチームの作りかた」。彼は何を重視して人を選ぶのだろうか?
― ゼロからチームを作るわけですよね。メンバーを集めなければならない。あなたはどんな風にチームを作っていきますか?
原沢:最初の7〜8人ぐらいまでは知り合いか、知り合いが「こいつなら大丈夫だよ」って勧めてくれた人ですね。実際は5人くらいなんですけどね。
― 最初のメンバーは「信頼できる人材 × 推薦ベース」で固める。スタートアップ界隈やチームビルディングの初期フェーズでよく使われる、いわゆるBlue Moonの手法ですね。
原沢:1回一緒に働いてうまくいった経験のある人、または一緒に働いてうまくいった人が、こいつだったら大丈夫だよって言ってくれる人。世の中には、技術的にすごい人や営業的にすごい人がたくさんいますが、チームとして一緒にうまくやっていけるかとなると話は別で。本当に会社をうまくやるとなると、ポンと外から入ってきて、チームでうまくいくかっていうのって、インタビューでは何もわからないです。
― ある意味、人脈ということになってしまうけど、これまでうまく行ったことがある人をご自身の経験から、または信頼する人のコネクションからを探していくのがベターであると。
成功するチームの1人目は「技術の人」
原沢:あと、日本のエンタープライズIT業界は狭いんです。だから、必ず誰かと誰かが繋がっている。僕が立ち上げてきたのは、すべてIT企業なので、やはり本気で立ち上げようと思ったら、技術の人は絶対に必要です。技術なしで営業は成り立たない。

― ああ、営業より技術が先なんですね。少し意外です。
原沢:2人目で営業を取るのはいいけれど、1人目じゃない。
― 英語力の問題はどうですか?技術に長けた人が英語力がそこそこの場合、コミュニケーションに支障が出たりしないでしょうか?
原沢:技術者が英語を喋れるのが理想だけど、技術者じゃなくてもいいから、たとえばビジネス開発担当でもいい、とにかくお客さんとの間のブリッジになれるような人を必ず雇うべきですね。
― まさに、技術にも精通していてビジネス開発担当もできる、カントリーマネージャーもできる、原沢さんのようなバッググラウンドを持つ人ですね。
原沢:1人ちゃんとした人がいればいいんです。ちゃんとした人というのは、ちゃんと調べて会社とお客さんの間を取り持ってくれる人、英語と日本語で両方できる人を雇う。
― それが、いわゆるカントリーマネージャー的な存在になるんでしょうか。
原沢:カントリーマネージャーがブリッジの役割を担ってもいいのですが、一方で、他にできる人がいれば、必ずしもカントリーマネージャーがそれを担う必要はない。
― また、煮え切らない回答ですね(笑)。
原沢:あまりカントリーマネージャーにスポットを当てて、人物像とか深掘りしないほうがいい気がしますね(笑)。あくまでも、チームとしてどう作っていくかということが大事なので。
― なるほど。成功するチームのための人材戦略があって、そのなかの一人にカントリーマネージャーがいるくらいの認識でしょうか。
原沢:カントリーマネージャーというのは、教科書的にはすごく大事といわれているし、まあ、なんでもできる人が望ましいとかいろいろあるんでんですが、チームということで捉えると、カントリーマネージャーだけが偉いみたいな話でもなくて。
― なるほど。そう単純な話でもなさそうですね。今回のインタビューはここに掲載した他にも、記事にできなかった詳細を別途ドキュメントにまとめていきたいと思います。3回にわたって貴重なお話をありがとうございました。
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「チームの1人目は技術者」と語る、原沢の成功するチームの人材戦略とは?
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