2023年 年頭“直”感

宇野 浩二

あけましておめでとうございます。
毎年この「年頭直感」ブログを心待ちの皆様、大変お待たせいたしました。
ようやく正月気分も抜けたところで文章がまとまりましたので放出させていただきます。

私の年末年始といいますと、12月後半の全社オフサイトミーティング@軽井沢から休暇をいただき、山形蔵王、北海道、インドネシア周遊とたっぷりと充電&インプットしてまいりました。

その旅先での読書になぞらえて、話しを始めたいと思います。

「失敗の本質」から考察した組織

突然ですが、「失敗の本質 -日本軍の組織論的研究」という本をご存知でしょうか?

文章が難しくてなかなかすんなり頭に入ってこなかったんですが、第二次世界大戦における日本軍の各所での戦い・作戦がなぜ失敗、敗戦に至ったかを組織論的に分析して、現代のビジネス組織形成や実行、マネジメントに活かす、といった内容なんです。どうやら30年以上前の本のようなんですけど。

“戦闘は錯誤の連続であり、より少なく誤りをおかしたほうにより好ましい帰結(アウトカム)をもたらすといわれる”

僕らの仕事って「成果を最大化する」ことがミッションなんだけども、及第点ってラインが無くて「どれだけミスを最小化してミッションに辿り着くか」というプロセスもものすごく重要で、そのプロセスが無いとミッションである成果をだせないんです。

みんなの想い、狙い、時間、予算、人間関係などさまざまな要素が交錯する中でゴールを目指す。想いが強いメンバーが揃えばそれだけ意見がぶつかり合う。狙いが定まらなければ主体性を失い、成果を最大化できない。時間がなければ判断を誤る。

そんな日頃のもやもやをこの本はとても難しくも解説してくれました。

 

超要約すると、大東亜戦争の各作戦での失敗の要因は

  • 意思決定の優柔

  • 情報の分断

  • 人情の先行

  • 現場主義

  • 近代化の遅れ

 

と描かれています。これ、まさに現代社会と近しいですよね。

で、先に触れた「僕らの仕事」の課題ともとても密接で今後の会社の在り方を考えさせてくれたと同時に、いま猿人が歩んでる道は間違っていないと思わせてくれて、気を引き締めさせられた本でした。

はじまりました。猿人進化計画

数年後に振り返れば、2022年は転換期であったと言えるほど猿人は大きく変わった年だったと言えるでしょう。とてもやんわりしていて体感的で表現が難しいので、この機会に何が変わったのかを明文化してみたいと思います。 


猿人の事業ポートフォリオの変化はこれまでもお伝えしてきましたが、すべては顧客のあらゆる困りごとに応えられるようマーケティングや営業支援の幅広い領域に手を伸ばしてきました。

会社を継続していくうえで当たり前と言えばそれまでなのですが、


「猿人さん、こんなことできませんか?」

 

「はい、できます。得意です(やったことないけども)」


というノリが源泉となり、その経験が血肉となって、いまとなってはかけがえのない事業基盤になっています。


なんでもやるし、ある程度なんでもできるようになったんだけれども、顧客が求めるモノ(=売れる商材)というのが見えてきて、さらには猿人で抱えなくてよいもの、協力会社さんと協業できるモノの棲み分けなどもできてきて、今後猿人として注力すべき事業(=顧客の将来ニーズ)がわかってきました。


短期的なものではなく、中長期的に顧客が必要であろうものが見えてきて、それらを俯瞰すると猿人の未来ポートフォリオが見えてきたのです。

 

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3年後(2025年)の猿人はこんな感じになってるはずよ

 


その未来像に向けて優秀な人材を増強し3か年計画をスタートしたのが昨年2022年でした。

そしてその人材増強施策のひとつが、ENJIN 47 Projectという全国からのリモート社員採用プロジェクトでした(社員インタビューもあるのでぜひご覧ください!)。

 

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で、そんな目標を立てると、どんな人材が必要なのかがより鮮明になります。僕らにとって一緒に働く仲間こそ商材の根幹だからです。

で、こんな社員規則をつくりました。いま猿人で働く人材はみなこの社是に則って切磋琢磨しています。

ここではその一部を紹介しますね。

 

猿人2.0 行動&キャラ規範

  1. ユーモアかユニークか両方

  2. 一流を知れ

  3. 指切りげんまん

  4. Felixガム

  5. 時代をつかめ

  6. すべてキミが変えられる

  7. ブランドにコミットせよ


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で、どう変えたのか

これまでも「こういう一年にしよう」「こんな会社を目指そう」といった会話はもちろんありました。ただその目標に向けた具体的なアクションがなされないまま日々の業務に忙殺され一年が終わる、というのがこれまでで、どこか「なんかまた同じ一年が始まるな」という虚無感もあり。


それを変える第一歩が体制変更でした。

A. 最前線にいた売れっ子ディレクターを組織改革担当専任に
B. 中間層のマネジメント育成
C. バックオフィス変革

 

この仕事(猿人の仕事)って面白いんですよ。お客さんの課題を見つけて成果を上げて喜ばれて次につながる、商材も幅広いから自分の提案次第。

で、お客さんに買われて相性がよくなると離れられなくなっちゃう。「俺以外ではこのお客さんを満足させることなんかできない!」みたいな恋愛感情に近いような。

その体験って中毒性高いんですよね。つまりその経験を社員みんなが、というか猿人に関わる協力会社みんなが体感してくれたら猿人の仕事から離れられなくなるし、もっと良いサービスが提供できる、そう考えました。

 

なので、まずは A. の仕事とノウハウを分散し、下の層にその経験をさせる。そしてその A. はこれまでの経験から人事、採用、社員教育コンテンツ、ホームページ制作などを手掛け、インナーマーケティングを担当することになりました。彼から仕事を引き上げて他のメンバーに引き継いだときはクオリティやコミュニケーションギャップでうまくいかないときもあったけど、いまでは新しいリレーションがうまれています。

 

その次世代を担うのが B。私たちも組織を大きくすることなんて不慣れですからどのように中間層をあげていけばよいかなんてわからない。

ここは彼らの「猿人を背負う気概」に本当に助けられ感謝しています。なんだろうなー。仕事の責任を自分事にすることってとても難しいし、できれば避けて通りたいことなんだけれども、いまの猿人の中間層メンバーは先の中毒にハマってるんだろうな。

会社としては大変ありがたいことであります。彼らにもっとハマってもらうよう給与に還元するしかありません。


そしてより効率よく働くためには会社の制度やコミュニケーションツールの充実もそうですし、バックオフィスを改革する必要がありました。

年間1,000案件以上のお仕事をいただき、それだけの請求書発行がある。それに紐づく協力会社から受け取る請求書を考えると膨大な経理業務があります。さらにセキュリティ関連や契約関連、総務などなど、電子化できるところはセキュアに電子化し、またアウトソーシングとの棲み分けで社内リソースを最適化していきました。

この C. バックオフィス改革があったからこそ、ENJIN 47 Project からの採用人材もスムーズに参画できています。

そして、計画2年目に。

月並みですが、顧客第一主義な会社であることは昔から変わらず、これからもいろんなものを犠牲にしつつ(社員を犠牲にさせつつ)もずっと変わりません。

社員や家族、チームを大切にしながら、目標に向かって団結して苦楽をともにしていきます。


が、そこで判断を間違えがちなのが、「顧客第一主義」と「効率性」なんですよね。お客さんも増え、案件も増えると効率性や省力化に頭がいっちゃう。

けど、猿人の理念はそこじゃないよと。顧客第一主義が大前提で、その顧客の予算や時間、リソースをカバーするためにどうやって効率するかが猿人的効率性なんだよと。

新しいメンバーが増え、その想いだけをしっかり浸透させるように心がけています。


猿人の顧客のメインはIT業界で、IT業界のマーケティングが今後どのように変化していくかはわからないけども、もっと効率化され省人化され高いKPIを求められるだろうと思う。

きっと近い将来。


そのときに僕らはどのようなサービスを提供できるか、時代のニーズに合った寄り添い方ができるか、猿人という会社の規模や事業、そして何よりも僕ら上層部の思考が重荷になってないか、常に柔軟な企業でありたいと思っています。

だからこそ、いま猿人中間層が勢いづいて来ているのはとても心強く、お客さんにとっても安心を提供できる環境が整っているなと感じます。

そして猿人進化型に向けての2年目は新しい目標設定と組織変革があります。そのプレッシャーを楽しめるメンバーでありたいなと思います。


冒頭で紹介した「失敗の本質 -日本軍の組織論的研究」に戻りますが、ノモンハン事件からミッドウェー海戦、沖縄線に至るまでいくつかの作戦失敗の原因、アナリシス、現代社会との突合検証の後、最後に下記の文面で締めくくられます。

“日本軍同様、過去の成功体験が上部構造に固定化し、学習棄却ができにくい組織になりつつあるのではないだろうか。
日本的企業組織も、新たな環境変化に対応するため、自己革新能力を創造できるかどうかが問われているのである”

猿人は次のステージに向かう体制が整いつつあります。
本年もよろしくお願いいたしますー。

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