猿人流! オンラインイベントのフレームワーク Vol.3 ~基本計画:実行担当責任者が最初にやるべき全集中タスク~

土谷 竜介

初期計画で、ゴール設定とKPI設定、権限と責任が一致したプロジェクト体制を組むことができたら、次は基本計画へと入っていきます。

 

基本計画の構成要素

テーマの明文化と視覚化

大規模なオンラインイベントの場合、社内の様々な製品やサービス、ソリューションを紹介することになるため、講演も展示も総花的でピンぼけした訴求になる傾向が目立つような気がします。原因は明白です。『テーマ』が無いからです。セッション構成や展示構成を考える上でも、集客効率や視聴者へのメッセージングの観点からも、イベント全体を一気通貫して顧客にお届けしたいテーマを、しっかりと明文化しておく必要があります。

初期計画において、意思決定者が何を成し遂げたいかを決めることに魂を注入するのと同じく、オンラインイベントの実行担当責任者は、ミッションを拝命した瞬間、まずはこのテーマ作りに全集中する必要があります。考え抜いて明文化されたテーマは、言霊となり、関係者や視聴者などを含むすべてのステークホルダーを巻き込むための強力な武器になります。抽象的な場合は、図やデザイン、アイコン、写真などを駆使して視覚化することも効果的です。

開催時期、日数を決める

開催時期を検討するためのチェック項目として:

  • 社内の他のイベントや行事との競合はないか?

  • 競合他社が同時期に大規模イベントを開催する予定はないか?

  • 視聴者層の繁忙期や休暇時期と被っていないか?

  • 事後の営業活動を行うのに適した時期か?

  • 準備や制作を行うにあたって、十分な期間が取れているか?



などなど、いろいろありますが、全ての条件をクリアすることは無理ですし、情報収集も難しいです。また、他社も同じことを考えていますので、結果的に決算シーズンや年末年始休暇と夏季休暇期間を除いた、5月~7月、9月~11月に集中する傾向は変わることはなく、ここは深く考え込んでも時間の無駄です。

 

最低限の検討事項として、

  • ド競合とライブ配信日が被っていないか?

  • 準備制作のために十分な期間が確保できるか?

 

この2点だけクリアしていれば、あとは大きな問題ではないでしょう。

競合のイベントとは丸被りしていなければ、近い日程である分には問題ないですし、ユーザー側の気持ちで考えれば、記憶の新しいうちに比較ができるのでむしろ嬉しい限りです。


また、イベント実施準備のための十分な期間を確保できていることもとても重要なポイントです。一流の内装と既存設備とサービスの整ったホテルで開催するリアルイベントと異なり、オンラインイベントではウェブサイトやプラットフォームを作りこむ必要があるケースがほとんどです。明らかに無謀な開発/制作スケジュールで大規模イベントを開催しようとするのは、戦う前から勝てない戦いに挑んでいるようなものですので、そういう無謀なことはやめましょう。

開催日数に関してはこの時点で確定をさせる必要はないのですが、講演のタイムテーブルを具体的にドラフトしてみることで、より現実的な開催日数をはじき出せます。

登録者数・参加者数の目標を決める

登録者目標や参加者目標は、初期計画におけるゴール設定とKPIに準じる形で決まります。リアルイベントを開催していた時の実績数字や、昨年開催時のオンラインイベントの実績数字、最近のオンラインイベント市場の集客難易度状況などを参考にしながらも、本年度のゴール設定に合わせて慎重に設定をします。また、このブログではスコープ外にしていますが、リードフォローまでのプロセスを考えることは避けて通れませんので、この段階でインサイドセールスやフィールドセールス、パートナー営業などを巻き込んでおくことも重要です。

 

イベントの構成要素を決める

イベントの構成要素とは、例えば「講演」「展示」などのことです。オンラインイベントの構成要素を考えるにあたっては、オンラインならでは良さに焦点を当てて検討を進めることをお勧めします。

少なくとも2022年の現時点においては、対面のリアルイベントでの良さを再現することにこだわっても、工数や費用に対する効果という観点において成果が出にくい傾向にあります。(今後メタバースが猛烈に発達し、メタバースの世界でのビジネス活動が常識になる未来が訪れるかもしれません。その時は人類がもっとデジタル化しているのでリアルイベントよりももっと違ったビジネス価値をもたらすエクスペリエンスが実現するかもしれませんので、それはそれで非常に楽しみです!)

例えば、本当に展示って必要か? チャットは必要か? 商談は必要か? 講演は無しにする? などなど、各要素のKPIへの貢献、工数やコストに対する効果の観点を加味しながら決定していきます。「何をやるか」よりも「何をやらないか」を決めるイメージです。

 

イベント要素ごとの優先順位を決める

これは必須事項という訳ではないですが、講演と展示の優先度くらいは最低限決めておきたいところです。

自社開催のオンラインイベントにおいては、展示に重きをおくか、講演に重きをおくかで、その後に選択するべきイベントプラットフォームの要件ががらりと変わります。例えば、3Dブースを回遊するようなUXの提供に比重を置くか、あるいは、円滑な双方向コミュニケーションが取れたり、リッチなデザインの講演視聴環境の提供に重きをおくかなどで、選ぶべきプラットフォームは変わってきます。

 

外部の協力パートナーを決める

ここまでで大体のイベント開催概要は完成です。また、この辺りまでの検討が進めば、担当者もどこまでは自社で賄うことができ、どこから先を外部の協力パートナーに任せていくべきかの想定が付くことでしょう。

もちろん、ここまでを検討するにしても、外部のプロフェッショナルのアドバイスがあった方が質の高い基本計画が作れることは間違いありません。無理に社内だけ(自分だけ)で検討することなく、弊社のようにオンラインかぶれしている代理店さんに気軽にアドバイスを求めるといいでしょう。猿人に一報入れれば、ほいほいとZOOMのURLが返信されてくると思います。

では、また次回。

 

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