「リードは受注につながらない」というテーマで登壇して、改めて気づいたこと

渡 元春
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先日、BtoB Synergy FORUM(MarkeZine & SalesZine主催)に、株式会社新人 執行役員COOの丸山さんと一緒に、ゴールドスポンサーとして登壇させていただきました。テーマは「リードは、なぜ受注につながらないのか。マーケと営業が『本当に一つ』になるための処方箋」。

この記事は、当日に何を話したかよりも、なぜこのテーマに行き着いたのか、企画の打ち合わせの中で自分の考えがどう整理されていったのかを残しておきたくて書いています。

満員の会場で感じたこと

当日、セッションには280名ほどの登録があり、会場もほぼ満席でした。「リードが受注につながらない」というテーマにこれだけ関心が集まるというのは、裏を返せば同じ悩みを抱えている方がそれだけ多いということなんだろうな、と壇上から会場を見渡しながら思っていました。

効果が見えにくい、という日々の悩み

猿人ではリードジェネレーション施策のご支援をたくさんしています。ただ正直なところ、リードがそのまま商談に直結する施策は、手法を問わずそれほど多くないというのが実感としてあります。展示会施策をやめるという話もお客様からよく耳にします。

だからといって、それらの施策に意味がないかというと、そんなはずはないと思っています。知名度の向上や、検討する段になったときに真っ先に思い出してもらえる状態をつくるポジショニングとして、そもそも業界イベントに出ていること自体には、本来ちゃんと意味があるはずです。

問題は、その評価のされ方にあります。「リードが商談になったか」「パイプラインに直結したか」という短期的な物差しだけで施策全体が評価されてしまうと、猿人としてもクライアントに対してROIを説明しにくい場面が多々あります。結果として、イベント出展そのものを縮小してしまうクライアントもいれば、展示会・ウェビナー・広告と次々に別の打ち手に手を出しては、どれも効果が出ないと悩み続けるクライアントも少なくありません。

この状況に対して、KPIの見直しや社内へのレポートの出し方、営業フォローとの連携をうまく設計し直すことで、施策の効果をもっと正しく見せられないだろうか。これが、今回のセッション企画が動き出す前から、自分の中でずっとくすぶっていた問いでした

議論の中で見えてきた、もう一つの主張

企画の打ち合わせで、この悩みをそのまま口にしたところ、新人の丸山さんから明確な反論をもらいました。リードが死ぬ原因の9割は設計ではなく運用の崩壊であり、失注理由をタイミング・競合・そもそも顧客ではない、というように細分化した上で接点を設計し直せば、ナーチャリングはちゃんと機能する、という主張です。

自分の感覚としては「そもそも質の低いリードは、何をどうフォローしても受注にならない」という前提があったので、この二つの主張は一見ぶつかっているように見えました。ナーチャリングという言葉自体が幻想なのではないか、という自分の疑問に対して、丸山さんは「幻想なのはナーチャリングではなく、施策さえ並べれば育つという考え方の方だ」と返してきました。なかなか手厳しい(笑)。

話していくうちに、実はどちらも正しく、対立しているのではなく担う役割が違うだけだと気づきました。マーケティング側が良質なリードをつくり、それを追いかけ続ける仕組みを営業側が運用する。この両輪が揃って初めて成果につながるという、当たり前だけれど実行できている会社の少ない結論に、二人の議論は着地しました。

「MQL 300件、受注0件」の裏側にあったもの

セッションのスライドにも入れた「MQL 300件、受注0件」というケース、実はこの数字だけを見ると完全に失敗した施策のように見えます。でも、営業サイドにきちんとヒアリングしてみると、実態はまったく違っていました。

リプレースのタイミングを確認できていたリードもあれば、すでに別の商談を進めている既存の検討候補への追加接点になっていたケースもある。つまり、営業サイドとしては出展した意味をちゃんと感じてくれていたのに、SFA上のスコアだけを見ると「効果ゼロ」に見えてしまっていたんです。

これは自分にとってもかなり大きな学びでした。数字だけを切り出してレポートすると、本当の効果を見誤ってしまう。実際の温度感や現場の実態を添えて、改めてレポートを組み立て直したことで、今期もこの施策自体は継続する判断ができました。

パイプライン不足を抱える実例

登壇の直前にあった、あるお客様との定例ミーティングでも似たような相談をいただきました。今月のパイプラインが目標より低く、追加の施策が求められている、という内容です。

このお客様とは、今年に入ってから500〜600件ほどのリードを獲得してきました。ターゲットとするエンタープライズ企業のICPに合ったリードも一定含まれているのですが、スポット的に商談化するもの以外、マーケティング起点で持続的にパイプラインが生まれる状態はまだつくれていないのが現状です。

「集客チャネルを変えるか」という議論もしているのですが、話を掘っていくと、BDRがなかなか採用できず、アフターフォローがほぼできていなかった時期があったり、獲得したリードがその後どうフォローされているのかを、私たち自身が正確に把握できていなかったりすることが分かってきました。集客の入口ばかり変えても、後工程が整っていなければ意味がない。ここに猿人として踏み込めていなかったことが、今までの明確な課題だったと感じています。

会場で聞いた、切実な声

Ask the Speakerのコーナーでは、丸山さんが語った営業サイドのナーチャリングの進め方に共感してくださる方が多く、「それをどう営業組織全体に浸透させるか」という質問をいくつもいただきました。

なかでも印象的だったのは、インサイドセールスをされている方から聞いた、数か月前に400件のリードをフォローしきれなかったというお話です。営業と定例会は開いているものの、SFAやCRMに進捗を入れてもらえず、状況が見えないままになっているという声もありました。この悩みが、本当に多くの現場で起きているのだと確信した瞬間でした

セッションを終えて

今回の登壇では、この春から始動したグループ会社・株式会社新人の丸山さんに、こうした悩みを直接ぶつけることができました。マーケティング側だけで抱えていた課題に対して、営業サイドにも踏み込んで一緒に取り組んでいけるという実感が持てたのは、自分にとって大きな収穫でした。

こうした課題は、ありがちなフレームワークやツールを導入すればすぐ解決するようなものではないと思っています。泥臭く人間関係を築き、丁寧にヒアリングを重ね、伴走しながら進めていく。この地道な積み重ねを通して、マーケティング施策の本当の効果を、これからもしっかりお客様に見せていきたいと思っています。

もし「イベントのリードが商談につながらなくて悩んでいる」「営業とマーケの評価軸がズレている気がする」という方がいらっしゃれば、ぜひ一度お話しさせてください。猿人と新人、それぞれの立場から一緒に考えさせていただきます。

登壇者情報

渡 元春|株式会社猿人

BtoBマーケティング支援を担当。展示会・イベント・コンテンツマーケティングを中心に、企業のマーケティング施策を支援。

▶ LinkedIn:https://www.linkedin.com/in/motoharuwatari/

丸山 浩介|株式会社新人 執行役員 COO

営業戦略・営業プロセス設計・営業組織づくりを支援。今回のセッションでは、営業側の視点からナーチャリングと営業運用についてお話ししました。

▶ LinkedIn:https://www.linkedin.com/in/kosuke-maruyama-3621a340b/

猿人 × 新人について

今回の BtoB Synergy FORUM のセッションでは、BtoBマーケティング支援を行う株式会社猿人と、営業戦略・営業組織づくりを支援する株式会社新人が共同で企画・登壇しました。

マーケティングと営業、それぞれの専門性を掛け合わせることで、リード獲得から受注までを一貫してご支援しています。

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