猿人流! オンラインイベントのフレームワーク Vol.7 ~初期制作③:やっぱりルックスは大事でしょう? ~

猿知恵
土谷 竜介   2022.04.27

プラットフォーム&サイトの要件定義と平行して進めるべきことがあります。それはこのイベントの「デザインコンセプトの開発」です。

今回はデザインコンセプト開発のトピックと、それに続く「ラフデザイン」「配信方法計画」「配信・収録会場計画」について書きます。

 

 

初期制作の構成要素

 

 

デザインコンセプトを定義する

自社主催のオンラインイベントでは、やっぱり自社のブランディングをきっちりと表現する必要がありますよね。コーポレートブランドに完全に則る方法もあれば、このイベント向けに専用にカスタマイズする方法もあります。フラッグシップイベントをワールドワイドで行うような外資系企業であれば、グローバルで統一のガイドラインがあることも多いです。

いずれにしても実施制作に入る前の段階で、イベントのデザインコンセプトを明確にしておくことが重要です。イベントサイトだけでなく、集客用のLPやフライヤー、各種広告クリエイティブ、講演映像などなど、オンラインイベントを実行するにあたっては、非常に多岐に渡るクリエイティブを制作していくことになり、これらすべてのデザインには一貫性が必要です。

また、それぞれのクリエイティブを制作するデザイナーも、クリエイティブごとに異なることが多くなります。デザイナー各々にクリエイティビティを存分に発揮してもらうことは大事ですが、指針となるデザインコンセプトはどうやっても必要になりますので、この段階でしっかりと準備をしておきましょう。

 

 

準備するものは:

  • イベントロゴ

  • カラー

  • フォント

  • キービジュアル

  • これらをまとめたガイドライン

 

 

 

イベントデザインガイドまで作る

色々なイベント制作の現場を見ていると、たいていキービジュアルは作っているように思います。しかし、カラーやフォントの規定、イベントロゴのパターン展開やガイドラインへの落とし込みまできっちりしているプロジェクトは多くありません。

先述の通り、この規模のオンラインイベントになると制作に携わる関係者が多くなりますので、多少の費用はかかりますが、ガイドラインまできっちり準備しておくことをお勧めします。各クリエイティブを作成するデザイナーにガイドラインを提供することで、イベント全体のデザインに一貫性を持たせることができ、視聴者へ一貫したブランドエクスペリエンスを提供することができます。

 

イベントサイトのラフデザインを作る

ガイドラインまでできたら、次はイベントサイトのラフデザインを作成します。

平行して検討している、イベントサイト&プラットフォームの要件定義に使用しているワイヤーフレームの内、主要なページのみのラフデザインを行います。ワイヤーフレームにデザインが施されより具体的にイベントサイトがどんな感じになるのかが分かるようになるため、要件定義の精度がググっとあがります。

 

配信計画を立てる

イベントサイトのプラットフォーム要件やラフデザインを進めつつ、肝心の講演コンテンツをどのように視聴者にお届けするかも考えておく必要があります。BtoBオンラインイベントでの場合、主に以下の4つの配信方法が考えられます。

 

  • リアルライブ配信

    予め決められた時間にライブ配信する方法です。TVでいうところの生放送ってやつですね。臨場感あふれるコンテンツとなり、視聴者目線で見てもっとも見ごたえのある配信方法です。インタラクティブなコミュニケーションが取れる点も魅力です。

本番ぶっつけですので、実際に講演をする講師も企画する側も、制作側にも等しくリスクは伴うため、オンラインイベントでは敬遠される傾向があるようですが、パッションを感じることができ、心揺さぶる印象的で魅力的なコンテンツを視聴者に届けるために、重要なキーコンテンツに関しては、まずはリアルライブを前提に検討することをお勧めします。

 

  • 疑似ライブ配信

    会期の前に事前収録を行い、編集作業を経て完パケの動画を作成し、イベント会期中の決まった時間に配信する方法です。生放送以外のTV番組と同じですね。前述のライブ配信のメリットがなくなる一方で、事前収録にはたくさんのメリットがあります。

例えば、集客力のあるゲストスピーカーに講演を引き受けてもらえる可能性が高まったり、講演内容もミスなく正しい情報を伝えることができたり、リアル配信に伴う技術的なリスクも回避できます。つまりミスのない堅実な配信に向いています。

 

  • オンデマンド配信

    既存のコンテンツをいつでも視聴できる配信方法です。YouTubeとかネットフリックスと同じですね。いつでも自由に見れるため、視聴者からするとユーザーフレンドリーであると言えます。

ただし、イベントコンテンツというのは「その場その時にだけ限定」で視聴することができるからこそ、お客さんが集まってくれるわけですので、全部オンデマンドにするというチョイスはないでしょう。あくまでもリアルライブや疑似ライブの補助的な位置づけとして考えるのが定石です。

 

  • アーカイブ配信(見逃し配信)

イベント本番会期中に見ることができなかった登録者のための見逃し配信です。TVerみたいなものです。多くのBtoBオンラインイベントのターゲットは、日中は業務多忙のため、決められた会期中に視聴することができないケースは本当によくあることです。そんなターゲット視聴者にコンテンツを見ていただく機会を作るためにも、アーカイブ配信(見逃し配信)は必須なものとなります。

ただし、いつまで見逃し配信をするかの期間設定は、よく検討する必要があります。オンラインイベントが飽和状態になっている昨今では、アーカイブ配信への参加率が減っている事実もありますので、ただ闇雲に漫然とアーカイブ配信をしてもその効果は薄いでしょう。

 

 

リアルライブ、疑似ライブ、オンデマンドにはそれぞれのメリットデメリットがありますので、それらを加味しながら配信プランを検討していく必要があります。疑似ライブのみの保守的なイベントになりすぎては、視聴者的にとって面白みの欠けるつまらないイベントになってしまいますし、リアルライブのみにしたはいいが魅力的なスピーカー陣を確保しきれなかったなんて事態も避けたいところです。

もちろん、疑似とリアルの両方をやるのは簡単ですが、収録日時が増えれば、それはそのままコストの問題として跳ね返ってきます。初期計画と基本計画で設定したKGI/KPIへの貢献度合いと睨めっこしながら、最適な組み合わせを検討してください。

 

収録会場、配信会場

概ねの配信計画ができたら、リアルライブを行う配信会場や事前収録を行う収録会場を確保します。収録スタジオや会議室、ホテル、オフィスのいずれかを活用することが大半です。

たまに屋外ロケをやるケースもあります。ネットワーク回線のスピード品質や回線数、収録・配信機材などの技術面の確認は制作に任せていいと思いますが、収録会場に求められるファシリティクオリティについては、その要件を明確にしておくようにしましょう。

顧客企業のエグゼクティブをお迎えして収録をするなら、ホテルのような格式とホスピタリティのある会場にして、会食やMTGとセットした場をアレンジするのもいいですし、映像や音声のクオリティを最大限高めたいのであればハイエンドなスタジオを選択することになります。

TV番組のように大掛かりなセットを造作するならそれなりのサイズの場所も必要になります。あるいはそこまで品質にこだわらない類の講演であれば、オフィスの一室を利用してもいいでしょう。そしてもちろん、今後のハイブリッドワーク時代においてはリモート収録という選択肢も主要なチョイスとなってきます。

 

ということで、長かった初期制作もあと少しで終わります。

次回は、集客計画についてです。では、また!

 

 

 

 

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