猿人で LinkedIn 広告やってみたらこうなった。〜BtoBマーケ支援会社のリアル〜

阿部 晴佳
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「うちもそろそろ、新しいメディアにトライしてみようよ」

ある日のマーケティング定例、終盤にコーヒー片手に通称「偉いひと」が何気なく言いました。
(マーケティングって偉い人のこういう何気ない一言から、急に新しいことが始まったりしませんか?)

そして、ここから猿人での LinkedIn 広告へのチャレンジがスタートしました。

LinkedIn に注目した理由

実は、猿人では過去に Meta 広告や Googleリスティング広告を自社運用で配信していました(ご存じでしたか?)。
これは、コロナ禍に実施していた「座組」プロジェクトの告知を目的としたもので、この経験から自社で広告運用すること自体へのハードルは、それほど感じていませんでした。

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とはいえ、LinkedIn 広告は今回が“はじめて”。実のところ、それまでは企業ページの管理もしていない状態でした
以前より Linkedin 広告の存在は認識していましたが、過去に見聞きした情報から CV単価が高くなりがちで、ターゲティング設定も細かいため、他媒体に比べて社内運用のハードルが高い(ので実施はしないだろう)という思い込みがあったためです。

新しい配信チャネルの選択肢としては、他にも Googleディスプレイ広告や X(旧Twitter)、YouTube、業界系メディアなどがありましたが、今回 LinkedIn で広告配信をすると決定した理由は、以下の3点です。

  • ビジネス利用ユーザーが圧倒的に多い

  • 外資系企業のユーザーの割合が高い

  • 多くのユーザーが過去の経歴を含め、プロフィールを詳細に登録している

つまり、他の候補媒体よりも「ターゲットにちゃんと届くはず」と、思ったからです。

今回は、「海外向け」と「日本向け」の2本の広告キャンペーンに挑戦しています。
実際に設定を進めてみると、細かなターゲット設定は逆に使い勝手が良く、配信開始後も、反応を見ながら条件を何度も調整していきました。

LinkedIn 広告は、海外と日本でこうも違うのか

海外向け LinkedIn 広告

今回は、Meta / Google リスティングに加えて LinkedIn を実施したのですが、配信をスタートしてしばらくすると、
なんと LinkedIn 経由のLPランディング数が、「日本向け」広告キャンペーンを含めても堂々の1位に。

しかも、クリック単価29円という驚異のコスパ。
(……え、ゼロひとつ間違ってる?)

一方、同時に走らせていた Google リスティング広告のクリック単価は、1,134円

もちろん、ディスプレイ広告と検索連動広告では訴求のされ方も違うので、単純比較はできませんが──
それにしても、同じキャンペーンを告知しているとは思えないほどの価格差です。

日本向け LinkedIn 広告

一方で、日本向けの広告キャンペーンでは、コンバージョンが海外ほどは伸びず、
どの媒体もクリック単価が高めという結果でした

通常であれば、配信の打ち切りの判断をするところかと思いますが、現在も配信を継続しています。
理由は、クリックに繋がっていなくとも「エンゲージメントが高い」からです。

日本向けの広告キャンペーンは、LinkedIn 上で「いいね」をしっかり得られ、
認知目的としては充分な成果を得られていると感じます。BtoB でもリードの数だけが成果指標ではないのですね。

 

途中、LPの改修に伴う配信停止やコンテンツの差し替えを挟みつつ、この2つの広告キャンペーンは、昨年12月〜現在まで継続配信しています。

ターゲティングについても、海外向けでは「社員数101〜500人以上のマーケティング職」や「企業名」という超ピンポイントなのに対し、日本向けは「興味関心を含め、マーケティング関連」と幅広くカバーさせるなど、調整を行いがながら運用中です。

LinkedIn 広告運用の裏側

広告配信は、スタート直後から順調に回り始めて──なんてことは、もちろんありませんでした。

はじめての媒体だったため、そもそも企業ページの設定や広告アカウントの開設、 HubSpot との連携などなど、広告配信をスタートできる状態になるまでがばたばたでした。
(なんだかオペレーションばかりやってる気がしますが、これも“戦略的マーケティング”ってことで合ってますかね?)

それでも、自社運用だったおかげで、
「ちょっと、このエリアはターゲティングから除外してみよう」「クリエイティブこれ止めて、差し替えよう」みたいな小回りのきく運用ができているのは強みだと思います。

そんなこんなで運用開始から数か月。営業メンバーから「広告、見たよー」という声がちらほら聞こえ始め、

さらには──
「お客さんが『猿人さん、SNS広告やってるんですね。うちもLinkedInやりたいんだけど』って言ってたよ」
……みたいな、うれしい“反響”も届くように。

さらにさらに、企業ページ設定すらできておらず、フォロワーがまるでいない LinkedIn 企業ページの広告に、既存のクライアントから「いいね」をいただけることも増えてきて……正直、これはちょっとニヤつきました。はい。

はじめは「それっぽいことをやってる感」を出しているだけでしたが、 それでも、社内外での認知拡大には確実につながっていて、後からじわじわ効いてくるものなのだなと実感できました。

LinkedIn 広告をやってみて思ったこと

Linkedin での広告配信をやってみて感じたのは、「海外向け」の手段としては非常に有効だということです。

また、日本国内においても「認知目的」であれば十分に効果が得られるということです。
ただし、自社で運用する場合は、いきなり走り出すのではなく、きちんと準備期間を設けることもとても大事だなと思いました。

加えて、BtoB企業が LinkedIn に限らず、SNS広告にトライする際に大事なのは、この4つなのかなと思います。

  • 目的をちゃんと決める(「とりあえず出してみる」は、だいたい迷子に)
  • 無理な KPI は置かない(数字に追われすぎると、成果より先に心が折れる)
  • 小さく始めて、自社に合う運用スタイルを探す(最初からフルスロットルだと、事故る)
  • PDCA を回しながら改善していく(出稿して終わりではなく、地道に育てる)

実際にやってみてわかったことばかりですが、
この4つが押さえられていれば、大きな失敗にはならない(はず)です。

最後に

BtoBでは、ディスプレイ広告、とくにSNSでの広告配信は「どうせ効果出ないでしょ?」と、思いがちですよね。
でも、いざ自社でやってみると、思いのほか多くの収穫を得ることができました。

BtoBの世界では、この“認知の積み重ね”を戦略的に行うことが、未来のリードや案件に繋がるのかもしれませんね。

今後、さらに実績が積み上がれば、次は「LinkedIn 広告から案件化した話」をお届けできるはず…。
みなさまからのご依頼・ご相談、心よりお待ちしております!

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